明治大学 嶋田 総太郎 認知脳科学研究室
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認知脳科学研とは?
人間の脳のメカニズムを情報処理の観点から理解し、モデル化するための研究を行っています。
脳活動を安全に計測する脳機能イメージング技術を用いて、さまざまな課題を遂行しているときの脳の働きを調べています。
記事と動画
【第1回】嶋田総太郎先生に聞く!認知脳科学の面白さとその可能性とは?
manavi -増進堂・受験研究社が運営する子どもたちの学びをナビゲートしたいと願う保護者のための教育情報サイト
研究内容(例)
メディア認知とミラーシステム
TVや映画、PC、携帯端末、ゲームなど様々なメディアがわれわれを取り巻いていますが、これらを脳はどのように捉えているのでしょうか?たとえばTVに現れる人物と実際に対面している人物に対して脳は同じように反応するのでしょうか?
認知脳科学研究室では、様々なメディアを見たり聴いたり操作したりしている時の脳活動を計測しています。特にコミュニケーションなどの社会性能力に関係した脳領野の活動に興味があります。人間の脳には、他者を見ているときと自分が行動しているときで同じように活動する領域があることが知られています。自分の行動と他者の行動を鏡合わせにしているような活動をするため、この領域は「ミラー(ニューロン)システム」と呼ばれています。ミラーシステムの反応はいくつかの要因によって変化することが知られているので、この活動量を調べることで脳がメディアに現れる他者をどのように捉えているかについて研究することができます。
また最近では人間の形をしたロボット(ヒューマノイド)の研究が進んでいますが、このようなロボットに対して脳はどのように反応するでしょうか?メディアの場合と同様に、ロボットに対するミラーシステムの反応も調べています。
自己身体イメージの構成メカニズム
われわれはもちろん身体を持っていますが、脳の中には身体の「イメージ」があると考えられています。この身体イメージは必ずしも本当の身体と一致しているとは限らず、錯覚や学習、あるいは脳の病変によって変化することがあります。そもそも私たちが生まれてから大人になるまでの間に身体の大きさや部位のバランスが変化するのですから、脳もこのような変化に対応できるようになっていなければなりません。
このような身体イメージの変化を短期間で人工的に起こすものとして「ラバーハンド錯覚」という錯覚があります。ラバーハンドというのはゴムでできた手という意味でマネキンの手を想像してもらえば良いでしょう。被験者からはラバーハンドだけが見える状態にしたうえで被験者の手とラバーハンドをブラシなどで同時に撫でることを数分間続けると、ラバーハンドが自分の手のように感じられるような錯覚が起こります。これはラバーハンドを見ている目からの視覚情報と手からの触覚情報が時間的に一致するために、脳がラバーハンドを自己の身体であると判断したものだと考えられます。ラバーハンド錯覚は撫でるタイミングがずれると起こらないことが分かっています。認知脳科学研究室では、ラバーハンド錯覚において様々な条件を変更したときの影響を調べています。
自己身体イメージは、視覚や触覚、聴覚などさまざまな感覚を自分の身体に集約することで成立すると考えられます。そこで、自分の身体運動から起こる感覚フィードバックに時間的あるいは空間的変化を挿入することで身体イメージの感じ方に違いが表れるかを調べることは、身体イメージの構成メカニズムを理解する上で重要です。認知脳科学研究室では種々の感覚フィードバックに変更を加える装置を用いて、行動実験および脳活動計測実験を行っています。
ブレインマシンインタフェース
人間の身体は脳の指令によって動いています。では同じように脳の指令から直接、機械を操作することは可能でしょうか?このような技術のことをブレイン-マシンインタフェース(BMI)またはブレイン-コンピュータインタフェース(BCI)と呼びます。BMIは身体が不自由な方への有望な代替手段として、またエンターテイメントやマーケティングなどの分野への応用可能性を秘めた技術だと考えられています。認知脳科学研究室では、主に脳波計を用いたBMIの技術について研究を進めています。
論文(例)
小川有希子、嶋田総太郎(2019)映画とプロジェクション. 認知科学、26(1), 121-139.